食中毒、その対策と予防

日頃から気をつけておけば大丈夫
細菌性食中毒・感染型
病原体 潜伏期間 主な症状 感染経路 病原所在 予防法
腸炎ビブリオ 病原性好塩菌 8〜20時間 1〜2日で回復 水様性下痢 1日5〜20回 嘔吐5〜20回 上腹部激痛 発熱38〜40 沿岸で捕獲される生鮮魚介類〈二次汚染〉まないた、ふきん、容器、食器、浅漬け 河口近くの海水(3%の塩分含有)および泥 真水で良く洗う 中心部が60℃になるように過熱する 調理容器・器具の洗浄と消毒 魚介類は低塩で保管
サルモネラ菌 12〜24時間 ときには40時間以上のこともある 嘔吐 水様性下痢 腹痛 発熱(38〜40℃)戦慄 痙攣 悪寒 畜肉、鶏肉、鶏卵(発育中止卵および黄、白身のよごれたもの) 罹患、ネズミの糞尿、ハエ、ゴキブリ、厨芥など 畜肉 鳥類の巣 罹患動物の糞尿 中心部が60℃になるように加熱する 清潔 迅速加熱および冷却 二次汚染に注意 ネズミの撲滅 検便の励行
病原大腸菌 病原性大腸菌 10〜30時間 発熱 頭痛 腹痛 嘔吐 不潔な取扱 ハエ、ゴキブリ、ネズミなど 人の糞便 動物の糞便 清潔、迅速な取扱 加熱(冷却) 調理後4時間以内に供食すること
カンピロバクター・ジェジュニーコリー 2〜7日 下痢(水様便粘血便) 腹痛、悪心、嘔吐 下痢の前駆症状(発熱惓怠) 水、畜肉、鶏肉、手指、下水(二次汚染) 不潔な取扱 自然界 家畜の大便 小鳥、畜肉 下水、汚水 鶏肉、野鳥 加熱調理を充分に 生肉を扱った後手指を洗浄、消毒 調理器具類の区分 生肉は区別して保存 水道水以外は塩素殺菌
ナグビブリオ 1〜5日 下痢型 胃腸炎型 水 魚介類 自然界 河川 魚介類 加熱調理は充分に 魚介類は冷蔵保存
エルシニア・エンテロコリチカ 16〜48時間 腹痛、下痢、発熱 水 魚介類 ネズミ、豚 河川水 加熱調理を充分に 冷蔵でなく冷凍
エロモナス・ビドロフィラ エロモナス・ソブリア 不詳 下痢、発熱 激しい胃腸炎 淡水魚介類 水 淡水魚介類 加熱調理を充分に 魚介類は冷蔵保存
プレシオモナス・ジロゲイテス 不詳 下痢 淡水魚介類 水、動物 淡水 加熱調理を充分に 魚介類は冷蔵保存
ビブリオ・フルビアリス 15〜24時間 下痢 海水 魚介類 海水 海沼 加熱調理を充分に 魚介類は冷蔵保存
細菌性食中毒・毒素型
病原体 潜伏期間 主な症状 感染経路 病原所在 予防法
ブドウ球菌 1〜6時間(平均3時間) 急性胃腸炎 吐き気、嘔吐 激しい下痢 発熱はほとんどない 症状は軽く24時間で回復 切り傷(化膿性病巣) ニキビ 鼻咽腔、咽腔 ふけ、毛髪、塵埃(ほこり) 自然界に広く分布 特に化膿病巣 清潔、迅速な取扱 手指に傷のある者の就業禁止 帽子、マスクの着用 消毒の徹底 低温保存
ボツリヌス菌(腸詰菌) 5時間〜3日間(普通12〜24時間) 頭痛 めまい 嘔吐 悪寒 視力障害 呼吸困難 発熱はない ハム 野菜 果実瓶詰 缶詰 いずし 発酵食品 ソーセージ 自然界に広く分布 海底の泥 魚 土壌 汚染防止(良く洗浄する) 殺菌 鮮度の低下したものは使用しない 供食前再加熱 膨張缶の使用禁止
ウエルシュ菌(土壌菌) 10〜22時間 軽い腹痛 水様性下痢 腹部膨満(放尿) 不潔な取扱 熱抵抗力が強く嫌気性で、芽胞をつくる カレー、シチュー、ハンバーグ 畜肉 土壌 下水 動物の糞便 加熱後、菌が増殖する前に供食すること 加熱処理を供食直前にする(造り置きをしない)
カンビロバクター・ジェジュニーコリー 下痢型8〜12時間 嘔吐型1〜5時間 下痢型 下痢、腹痛 嘔吐型 嘔吐、腹痛 土壌、穀類 手指、水 下水 不潔な取扱 めん類 自然界 土壌 水、下水 穀類 めん類 加熱調理後の食品を室温に放置しない 急速冷却保存 下処理を清潔に 喫食まえに十分再加熱
ナグビブリオ 1〜5日 下痢型 胃腸炎型 水 魚介類 自然界 河川 魚介類 加熱調理は充分に 魚介類は冷蔵保存
食中毒と経口伝染病の違い
原因菌 食中毒菌(サルモネラ、ブドウ球菌など) 経口伝染病(コレラ、赤痢、腸チフスなど)
感染力及び毒性 一部を除き一般によわい 感染力も毒性も強い
発病菌量 発病には大量菌が必要 小量菌で感染発病
潜伏期間 短い(2〜72時間) 長い(2〜24日位)
感染 患者から人に殆ど感染しない 患者から人に感染する
消毒方法
消毒とは、「病原微生物や食中毒菌の、増殖の力を弱めて感染力をなくす」ことが消毒であり、殺菌も同じ意味に使われているが、すべての微生物を徹底的に殺すとき、例えば手術用の器具や注射器等の処置は減菌という。また食器を洗剤で洗ったり、野菜など流水できれいに洗えば、大部分の細菌を洗い流すことができるが完全ではない。このような場合は除菌という。 また厨房器具や、ふきん、まないたをよく乾かして使え、というのは、細菌の繁殖の3大条件である水分、温度、栄養のうちの水分を減らすことにより細菌の増殖を防止すると言う意味であり、この場合の乾燥もまた消毒の一部である。
消毒方法の一覧
条件 方法 対象物
物理的方法 煮沸(熱湯) 85℃・5分、85℃以上・20分以上 化学食器 陶磁器食器 耐熱ガラス 小器具
蒸気 湿熱式食器消毒保管庫85℃20分以上
乾燥 乾燥式食器消毒保管庫・湿熱より少し劣る乾燥が主目的
日光 直射日光で夏1〜2時間 冬5〜6時間 衣類、まないた 木製品、ふきんなど
紫外線 殺菌灯{波長2,470A(オングストローム)が殺菌力最高} 倉庫、まないた 包丁、手指、冷蔵庫
乾燥 通気、換気、床傾斜、窓の開孔面積 木製器具、ふきん 床、食品など
科学的方法 次亜塩素酸ナトリウム 85〜200PPm溶液。金属容器は腐食するので避ける。熱と光に不安定 食器、器具、まないた 食品(生で食べる野菜)水、汚水槽 床ふきん、雑巾など
逆性石鹸 石鹸と併用しない。胃を侵すから食品に使用しない。 手指(85〜200倍液) 食器、器具(300〜500倍) 冷蔵庫、ごみバケツ(50倍液)
エタノール 70%エタノール溶液 手指、皮膚、器具など